日本の戸建て住宅の構造は、主に費用面での理由から大半が木造ですが、同じ木造でも工法が異なれば家の性能は大きく変わることをご存知ですか?そこで今回は木造戸建て住宅の工法と構造を現役工務店スタッフが詳しく解説します。
工法は、柱と梁でつくられた骨組みで建物を支える「軸組工法」と、壁(面)で建物を支える「壁式工法」とに大別されます。どんな構造・工法にもメリット・デメリットがあります。住宅会社ごとに、得意とするもの・取り扱っていないものもありますので、どんな家を建てたいかなどから、総合的に判断しましょう。
日本の伝統的な工法。単に「在来工法」と呼ぶことも。日本の一戸建ての5割以上がこの工法でつくられています。コンクリート基礎の上に柱と梁で骨組みをつくり、斜めに渡した筋交いで補強することで、建物にかかる力を軸および点で受けます。
・間取りやデザインの自由度が高い
・後のリフォームがしやすい
北米から輸入された「ツーバイフォー(2×4)工法」のことで、正式名称は「枠組壁工法」。断面が2×4インチの角材でつくった枠に合板を打ち付け、ゆがみに強い「面」をつくったら、それらを6面体に組んで空間を構成します。力は面で受けます。壁式工法
・基本的に高気密で高断熱 ・工期が比較的短く、安価
柱や梁、壁などの部材を工場で生産し、現場で組み立てます。品質の安定性や耐火性などの各種性能審査が義務づけられていて、クオリティにバラつきが出にくいのが特徴。躯体の素材は、木造以外にも鉄骨系、コンクリート系など各種あります。
・軽量、工期が短い ・躯体が外圧で変形しにくい